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首都圏外郭放水路を視察

2020.02.10

国会

東京

防災

観光振興

地下のパルテノン神殿こと首都圏外郭放水路を視察しました。

平成3年の台風18号により浸水戸数3万戸を超える水害が中川・綾瀬川流域を襲いました。
これを受けて平成4年から首都圏外郭放水路事業が始まりました。
この地域は利根川、江戸川、荒川に囲まれ、河川勾配もフラットであり、スープ皿の底のような地形により水が溜まりやすく水害が頻発していました。
したがって治水対策は、下流へ洪水を流すことよりは、流域の洪水をポンプアップし江戸川等の外周河川に排出するか、もしくは調整池を整備して流域に貯めるといった対策が有効です。

この外郭放水路は国道16号線地下を活用した大規模地下放水路のため用地買収を不要とし、内径30m深さ70mの立坑5本と毎秒200立米(25mプールの水を1秒間で排水する能力)のガスタービン(飛行機のエンジン)型排水機で構成され、約10年でスピード完工しました。
総工費2500億をかけましたが、年平均7回以上稼働し、きめ細かく水害を防ぎ、1980年代浸水戸数8万戸を超えていたものが、外郭放水路運用開始後の2000年代では5745戸と大幅に被害は減少しています。

放水路の効果は治水だけでなく、ドライアップされたことにより、住宅の供給など計画的な市街地開発が可能となり、大規模なマンションが放水路完成前より2.8倍に増え、農地以外は何もない風景だった場所が、現在は映画館や大型商業施設や物流倉庫が道路沿いに並んでいます。

またインフラツーリズムとしても活用され、見学者は年間35万人、映画やテレビのロケなど年間200以上のメディアに取り上げられ、春日部市のシティセールスにも大いに貢献しています。
まさにインフラのストック効果を最大限に発揮している施設と言えます。

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